- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0506CD535
- 開始/終了年度
- 2005~2006年
- キーワード(日本語)
- 視床下部, 性差, 加齢, 排卵
- キーワード(英語)
- hypothalamus, sex difference, aging, ovulation
研究概要
発達期の脳の性分化によって、生殖中枢である視床下部には視索前野の前腹側脳室周囲核(AVPvN-POA)と呼ばれる構造に性差がみとめられる神経核(性的二型核)が形成される。AVPvN-POAは雌特有な排卵制御に重要な機能を有しており、発達期に形成されたAVPvN-POAの構造の性差によって成熟期の生殖機能の性差が生じると考えられる。他方、生殖機能は年齢が進むとともに著しく衰退する機能であり、生殖中枢機能も加齢の影響を受けている。AVPvN-POAとともにラットの排卵制御に関与する視交叉上核(SCN)では、加齢に伴うニューロンの脱落亢進は雌よりも雄において著しくみとめられる。以上のことから、生殖中枢である視床下部の機能構造は生殖のライフサイクルのなかで著しく変化すると推察される。本研究は、ライフサイクルにおける視床下部の機能構造とその性差を明らかにすることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
平成17年度では、ラットの排卵制御に関与するAVPvN-POAおよびSCNの成熟期における機能的役割および性差を明らかにする研究をおこなう。その後、成熟期の機能構造におよぼす加齢影響と性特異的変化を検証する研究を平成18年度におこなう。
今年度の研究概要
成熟雌ラットの排卵は視床下部より分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)によって誘起され、このGnRH分泌の制御にAVPvN-POAおよびSCNは関与している。本年度は、AVPvN-POAおよびSCNのGnRH分泌制御機能の詳細を明らかにするため、これらの神経活動の経時変化を成熟雌ラットを用いて検証する。さらに、成熟雄のAVPvN-POAおよびSCNの神経活動と比較することにより、GnRH分泌制御機能の性差を調べる。