- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0708CD379
- 開始/終了年度
- 2007~2008年
- キーワード(日本語)
- 内分泌撹乱化学物質,カルシウム代謝,ビタミンD代謝
- キーワード(英語)
- TCDD, Ca2+ Metabolism, VD Metabolism
研究概要
本研究は生育過程にある腎臓におけるビタミンD代謝およびCaの動態に関与する遺伝子発現に及ぼす2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)影響を解明し、さらには骨形成への影響を分子生物学的および病理組織学的に検討することを目的とする。この研究の遂行は、TCDDの毒性に関する新たなる情報と基盤の確保が期待できる。この研究結果の網羅的検証と俯瞰により、TCDDと骨代謝の因果関係を明らかにし、いまだよく分かっていないダイオキシンと骨粗鬆症との関連性を解明したい。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
研究目標を要約すると、TCDDのビタミンD代謝関連酵素の遺伝子発現への影響を解析し、ミネラル動態影響を尿、血液、組織を用いて検討する。出産後1日目のマウスに、ダイオキシン類の中で最も毒性の強いTCDDを単回投与して、母乳を介するTCDD曝露マウスの腎臓組織、血液、尿サンプルを試料として、分子生物学的・生化学的・血液化学的、病理組織学的検査をおこなう。主な検査項目は腎臓におけるビタミンD代謝酵素(CYP27、CYP24)の遺伝子レベル・たんぱく質での解析、細胞内カルシウム動態に関与するたんぱく質の遺伝子・たんぱく質レベルでの解析、血液中あるいは尿中ミネラル特にCaとリンの恒常性に関する定量分析に焦点をあてて、オイル投与対照群ならびにとTCDD投与群を経時的に比較検討する。
次年度はTCDDの骨形成への影響を分子生物学的および病理組織学的に検討し、その毒性メカニズムを解明する。
今年度の研究概要
平成19年度は、特にTCDDのビタミンD代謝酵素とカルシウム代謝酵素の遺伝子発現への影響を中心に研究を行う。出産後1日目のマウス(C57Black)に、ダイオキシン類の中で最も毒性の強い2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)を単回投与(15µgTCDD/kg)して、授乳期TCDD曝露の生後3,7,14,21日目の仔マウスにおけるダイオキシンの毒性発現をビタミンD代謝酵素(CYP27,CYP24)およびカルシウム代謝酵素の撹乱作用に焦点をあてて追跡する。さらに核内レセプターであるVDRの遺伝子発現に対するダイオキシンの影響も検討する。