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ヨウ素呼吸細菌の3分岐型電子伝達鎖の解明:放射性ヨウ素回収への応用を目指して(令和 4年度)
Elucidation of three-branched electron transfer chain in iodine-breathing bacteria.

研究課題コード
2222CD006
開始/終了年度
2022~2022年
キーワード(日本語)
ヨウ素,ヨウ素酸呼吸,ヘムタンパク
キーワード(英語)
iodine,iodate respiration,heme protein

研究概要

ヨウ素酸呼吸細菌は、ヒトの必須元素ヨウ素の地球規模での循環に重要と考えられ、放射性ヨウ素汚染環境の修復への応用も期待される。これまでの研究から、ヨウ素酸呼吸には新規金属タンパク質複合体Idrが関与すること、また電子伝達鎖が3つに分岐するという、珍しい特徴を持つことがわかってきた。そこで本研究では、ヨウ素酸呼吸細菌SCT株を持ちて複数の遺伝子破壊株を作成し、ヨウ素酸呼吸に関わるタンパク質と電子伝達鎖の全容を解明する。また、核施設周辺で問題となっている地下水の放射性ヨウ素汚染の修復を目標に、SCTを用いた模擬地下水からのヨウ素の回収・除去試験を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

これまでの研究により、広宿主域プラスミドにidrAをクローニングし、大腸菌に形質転換することに成功した。今年度はこれを接合伝達によりidrA欠損変異株に導入し、ヨウ素酸呼吸能を復帰させる。また、これまでにSCT株のペリプラズム画分を硫安沈殿処理することなどにより、かなり純度の高いIdrタンパクを取得できることがわかった。今年度はゲル濾過処理などを組み合わせ、Idrの完全精製を試みる。精製タンパクを用いて反応速度論的解析、Mo, Fe, Sなどの元素分析などを行う。さらに、ゲノム内にidrオペロンを有する陸生細菌や海洋細菌のヨウ素酸還元能やその反応に関わるタンパク質の同定も進める。

今年度の研究概要

新規金属タンパク質複合体Idrの構成成分を調べるため、MoやFe, S等の元素含有量をICP-AESあるいはMSを用いて測定する。また、ヨウ素酸還元に及ぼす共存物質の影響を評価するため、硝酸、ヒ酸、アンチモン酸等をイオンクロマトグラフィーにより測定する。

外部との連携

代表;千葉大学 天知誠吾

課題代表者

山村 茂樹

  • 地域環境保全領域
    土壌環境研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 生物工学,土木工学
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