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廃棄物最終処分場の廃止判断と適正な跡地利用に資する多面的評価手法の適用に関する検討(令和 5年度)
Study on application of multiple evaluation for end of aftercare of waste landfills

予算区分
AH 地環研共同(I型・II型)
研究課題コード
2325AH002
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
廃棄物最終処分場,廃止
キーワード(英語)
Waste landfill,End of aftercare

研究概要

廃棄物最終処分場の廃止は施設管理者にとっては費用面でも土地利用の面でも大きな利益を生む行政上の手続きである。一方で監督者である都道府県等の自治体にとっては、処分場跡地の長期的な環境安全性確保の観点から、廃止可否の判断にあたってはより慎重な対応が迫られているのが実情である。地方環境研究所(以下、地環研)は、廃止基準項目の検査や廃止判断にあたって科学的な見地からの助言を求められる立場にあり、現に処分場から環境へのエミッションが十分小さくなっていることと、将来にわたって生活環境保全上の支障を生じるおそれがないことの評価について、監督者および管理者の相互理解のためのコミュニケーションを図るうえで、過去の現場での経験をもとにした科学的かつ合理的な判断根拠を示すことが求められる。本課題では処分場廃止に係る検査および判断に関して地環研が有する知見の共有と、横断的な支援を可能にするネットワーク形成を図る。また集積された知見をもとに最終処分場の現場特異性と跡地の利用を考慮したうえで科学的かつ総合的に廃止に関する評価手法を構築する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

[2023年度]
廃止を検討している処分場、維持管理が長期間にわたっている処分場、ならびに土地利用実績のある処分場跡地の管理に関する実態把握をすすめる。廃止に係る各種指標について地理的・時間的な変動を把握し、不確実性が小さくかつ合理的な調査手法のあり方を提示する。また、知見共有・ネットワーク形成のためのプラットフォームの運用を開始する。

(国環研担当項目) 事例収集のためのヒアリング・会議開催、プラットフォーム整備、評価の合理的な実施に向けた調査方法の検討(ガス排出量評価、地温評価、構造安定性評価)
(地環研)各機関が過去に調査担当した、あるいは現在担当中で情報公開できる処分場・処分場跡地の観測事例の提供、評価結果を補足する各種調査手法の検討(無人航空機を用いた測量・温度・ガス排出量評価、ボーリング調査、可搬型蛍光X線分析計による安全性の現場迅速評価、物理探査、各種水試料(内部保有水、浸出水、周辺地下水)調査)、プラットフォームへの情報提供

[2024年度]
収集された処分場観測の事例を活用し、廃止や安全な跡地利用に資する評価・解析を実践的に習得するワークショップを開催する。処分場廃止に係る各種指標と処分場情報を統合した上で、廃止判断に関する合理的な根拠を示すための知見の集積を図る。各指標ごとに作成された標準作業手順書を用いて、調査実施者の習熟を図るとともに、必要に応じて現場適合および改訂する。

(国環研担当項目)ワークショップの運営、プラットフォーム管理・更新、評価の合理的な実施に向けた調査方法の検討(ガス排出量評価、地温評価、構造安定性評価)
(地環研) 処分場・処分場跡地の観測及び評価事例の提供、観測事例の評価・解析スキームの構築、各種調査手法の検討・更新(無人航空機を用いた測量・温度・ガス排出量評価、ボーリング・内部水調査による物質同定・移動性評価、物理探査)

[2025年度]
廃止や安全な跡地利用に資する評価・解析を実践的に行うワークショップを、より広く参加機関を募り開催する。自治体横断的ネットワークを活用した評価事例集を作成し、全国的な普及・啓発を推進する。廃止に係る各種指標と処分場情報を統合し解釈する多面的な解析手法を提示する。処分場廃止に関するモニタリングについて、調査実施者の観点から留意すべき事項をとりまとめた提言を行う。

(国環研担当項目) ワークショップの運営、プラットフォームを活用した事例集の作成、評価の合理的な実施に向けた調査方法の手順書作成、多面的解析手法の提示
(地環研) 処分場・処分場跡地の観測及び評価事例の提供、廃止モニタリングに係る留意事項の取りまとめ、評価結果を補足する各種調査手法の手順書作成

今年度の研究概要

廃止を検討している処分場、維持管理が長期間にわたっている処分場、ならびに土地利用実績のある処分場跡地の管理に関する実態把握をすすめる。廃止に係る各種指標について地理的・時間的な変動を把握し、不確実性が小さくかつ合理的な調査手法のあり方を提示する。また、知見共有・ネットワーク形成のためのプラットフォームの運用を開始する。

関連する研究課題

課題代表者

山田 正人

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 室長(研究)
  • 京都大学博士(工学)
  • 工学,生物工学,化学工学
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担当者