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組織紹介-環境リスク・健康領域

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領域長あいさつ

環境リスク・健康領域長 山本 裕史

科学技術の発達に伴い、多種多様な化学物質が製造・使用され、われわれの生活の質の向上に大きな役割を果たしてきました。様々な対策技術の開発・普及や法整備などによって、1960~70年代の高度経済成長期に見られた公害のような深刻で明確な問題は少なくなりつつあります。しかしながら、さらなる生活の快適さの追求や気候変動・エネルギー等の諸問題に対応するために、新たな機能性の高い化学物質の開発が次々に進められる中で、大量生産・大量消費から少量多品種生産に移行しつつあり、問題の質が変化して把握しづらくなってきています。その例がパーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル化合物(通称PFAS)や我々が身近に大量消費するプラスチック製品およびその由来物の問題であり、ヒト健康ないし生態系への影響が懸念されていますが、これまでの水銀などの重金属、農薬類、医薬品やパーソナルケア製品などの問題などとともに、その曝露や影響の全体像には不明な点が多く残っています。また、欧米などの諸外国ではこれらの様々な化学物質のうち内分泌系や神経系、免疫系などをかく乱する作用を持つ物質の評価や、規制の強化も加速しています。

こういった諸問題に取り組むため、われわれの環境リスク・健康領域では2021年からスタートした第5期中長期計画において、基礎・基盤的な研究に加えて環境省や国際機関などを通じて社会実装を行う政策対応研究を推進する環境リスク・健康分野を展開しているほか、より未知・未把握・未規制の化学物質とそれらの有害性・リスクに着目した戦略的研究プログラムの「包括環境リスク研究プログラム」の中核となっています。

また、環境標準物質や計測技術の開発で環境研究を支える基盤計測センター、環境省が実施する「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の中核を担うエコチル調査コアセンターもこの領域に属しており、一体となって引き続き国民の安全安心や生態系の安全確保に繋がる研究を進めます。

研究概要

化学物質等の環境中の有害因子に起因する人の健康の確保と生態系の保全のための調査研究

 環境リスク・健康分野、基盤計測センターでは、化学物質等の環境中の有害因子に関し、将来世代を含むヒトの健康及び生態系への影響の解明、有害因子の同定、影響機序の解明、環境中動態の解明、曝露経路の解明、試験法・測定法・予測手法の開発、環境リスクの評価及び管理手法等の人の健康の確保と生態系の保全のための調査研究を行っています。また、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」について、調査の中心機関として総括的な管理・ 運営を行うエコチル調査コアセンターを担っています。

○環境リスク・健康分野
 先見的・先端的な基礎研究として、多種多様な化学物質群等の環境中の有害因子に関し、将来世代を含むヒトの健康及び生態系への影響の解明と因子や機序の解明並びに試験法・予測手法・評価手法などの開発を基礎研究と政策対応研究を総合させて進める。具体的には、多種多様な化学物質(群)の環境中生物への有害影響について分子レベルから個体・個体群レベルで評価する研究、化学物質の環境経由の曝露・影響実態の把握手法及び予測手法の高度化、調査・実験・モデル解析を融合した生態系かく乱要因の新たな影響評価手法の開発、化学物質等のリスク管理の体系化と動態や曝露評価に関する研究、マイクロプラスチックやPM2.5等の環境汚染物質の健康影響評価法開発と影響メカニズム解明、複数の環境要因または疾患、次世代影響等を勘案した新たな健康影響評価及び機序解明、脳神経系等への生体影響評価及び機序解明研究、バイオマーカーを用いた生涯曝露測定(エクスポゾーム)測定手法についての研究、また環境汚染物質や環境因子の健康影響を解明する疫学研究及びエコチル調査の基盤となる疫学研究の統計解析手法の検討についての研究を進めます。

○基盤計測センター
 環境研究の基盤となる計測の精度管理のために国際基準に合致した環境標準物質を作製、提供するとともに、環境試料の系統的な収集や長期保存を進めています。また、計測精度の維持・向上のため手法開発を行います。

○エコチル調査コアセンター
 「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」について、調査の中心機関として総括的な管理・ 運営を行っています。

研究室

  • 生態毒性研究室 化学物質やその混合物の新たな生態影響評価を行うため、分子~生体レベルでの解析手法やモデルの開発、生態系への有害性を評価する研究を行います。
  • 曝露影響計測研究室 化学物質の環境経由の曝露・影響実態の把握手法及び予測手法の開発を目指して、化学分析による実測、生物検定等による影響の包括的把握とその高度化、物性の測定及び推定法開発に関する研究を行います。
  • 生態系影響評価研究室 閉鎖性内湾などの沿岸生態系におけるフィールド調査、室内実験および数理モデル解析等により生態系における環境リスク因子の曝露・影響実態の解明を進め、機構解析とともに生物相の回復に向けた対策の提案を行います。
  • リスク管理戦略研究室 化学物質等のリスク管理および動態や曝露評価に関する研究を行います。具体的には、地球・地域規模での環境中での化学物質等の動き、排出推定、生物への蓄積性、そしてリスク管理に関する研究などを進めます。
  • 統合化健康リスク研究室 マイクロプラスチックやPM2.5等の環境汚染物質の物理化学的性状の測定を行うと共に、生殖発生、呼吸循環系、次世代等への健康影響評価法開発と作用機序解明研究を行い、健康リスク低減のために有用な情報を提供します。
  • 病態分子解析研究室 環境汚染物質・環境因子が疾患の発症や病態進展に与える影響およびその分子機序を解明することにより、健康リスク評価に資する科学的知見を提供します。
  • 生体影響評価研究室 環境汚染物質・環境因子の脳神経系等、生体機能への影響評価法の開発、影響検出・影響評価を行うことにより、有害環境因子を同定し、環境因子による健康への悪影響の予防・低減に貢献します。
  • 曝露動態研究室 エクスポゾームやバイオモニタリング、曝露係数・曝露シナリオの定量に関する研究を行っています。特に化学物質曝露後の体内動態に着目して、疫学研究、毒性学研究などと共同し、化学物質の健康影響評価手法について研究します。
  • 環境疫学研究室 環境汚染物質・環境因子が健康へ及ぼす影響を明らかにするための疫学調査・研究を実施し、健康影響評価及び健康被害予防のための政策に資する知見を提供します。また、疫学調査手法を開発・高度化します。
  • 環境リスク科学研究推進室 最新の科学的知見に基づくレギュラトリ・サイエンスに関する研究を行います。また、環境リスク評価事業や生態毒性試験法の開発・普及啓発などを通じてリスク科学の環境施策への実装に取り組みます。

基盤計測センター

  •  環境研究の基盤となる環境標準物質の研究開発や計測化学データの精度向上のための手法開発などを行います。
  • 環境標準研究室 環境計測の精度管理のための環境標準物質の作製、認証、利用促進や、環境試料の系統的な収集や長期保存などを行います。
  • 計測化学研究室 良質な環境計測データの提供を行うと共に、計測精度の維持・向上のため観測・計測・解析手法の開発や応用を行います。

エコチル調査コアセンター

  •  「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」について、調査の中心機関として総括的な管理・ 運営を行います。
  • エコチル調査コアセンター研究事業室 エコチル調査に係る企画調整や関係機関との連携推進を行います。

報道発表等

研究成果

最新の研究成果(誌上)

最新の研究成果(口頭)

過去の研究成果

刊行物

環境儀

国立環境研究所研究プロジェクト報告(旧特別研究報告)

データベース/ツール