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2019年9月25日

受賞のお知らせ ~ 吉田 誠特別研究員が(公財)河川財団から河川基金優秀成果賞を受賞

概要

受賞者氏名: 吉田 誠(生物・生態系環境研究センター)
賞の名称:  河川基金優秀成果賞
授賞機関:  公益財団法人河川財団
受賞年月日: 2019年08月06日
受賞対象:  平成30年度河川基金助成事業「コイ目線の琵琶湖ドキュメンタリー:動物搭載型ビデオを用いた琵琶湖流入河川の河口域における在来魚類の生態観察」

ひとこと

日本最大の湖、琵琶湖には、大小あわせて100を超える川が流れ込みます。これらの流入河川の河口域には、川の上流から運ばれた土砂により作り出された多様な地形が広がっており、魚類をはじめとする多くの生物にとってよいエサ場だと考えられます。本研究では、琵琶湖のコイに映像・行動記録計と超音波発信機をとりつけて湖内に放流し、エサの少ない秋~冬季における河口周辺への来遊状況、水中での採餌行動と採餌環境について調べました。放流したコイは、河口を含む沿岸域(岸から数百メートル以内)に広がる、水深数メートルの浅場を泳ぎ回り、おもに水草の茂る砂地でエサを探していました。また、映像には、放流したコイが他のコイと群れて泳ぐ様子や、ニゴイ・フナなど他の在来魚が砂地でエサをとる姿、カイツブリなどの水鳥が潜水してエサを探す様子も映っていました。(これらの映像は、webサイト「コイ目線のびわ湖映像アーカイブス」上で公開しており、自由に閲覧可能です。)これらの結果から、琵琶湖流入河川の河口やその周辺水域は、コイをはじめ多くの生物にとって重要な生息場であることが明らかになったと言えます。本研究で垣間見えた、「琵琶湖にくらす生きもの目線で見た、現在の琵琶湖の環境」をどう保全すべきかを考えながら、今回の受賞を励みにして今後の研究につなげていきたいと思います。