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2021年3月16日

受賞のお知らせ ~
小松一弘主任研究員・高津文人室長・篠原隆一郎主任研究員・松崎慎一郎主任研究員・土屋健司特別研究員・中川惠高度技能専門員が(公社)土木学会 環境工学委員会より環境工学研究フォーラム論文賞を受賞

概要

受賞者氏名: 小松 一弘・土屋 健司・高津 文人・篠原 隆一郎(地域環境研究センター),中川 惠・松崎 慎一郎(生物・生態系環境研究センター)
賞の名称:  環境工学研究フォーラム論文賞
授賞機関:  公益社団法人土木学会 環境工学委員会
受賞年月日: 2021年02月16日
受賞対象:  霞ヶ浦における一次生産量に影響を及ぼす水質環境因子の解析,Journal of JSCE ,76 (7), III-11-III-17,2020

ひとこと

湖沼における一次生産とは,主に植物プランクトンにより生産される有機物を指し、これは湖内炭素循環において重要な役割を担っています。こうした背景から,一次生産の定量には過去も現在も高い需要があります。本研究では数ある一次生産定量法のうち、蛍光法の一つであるFRRF(Fast Repetition Rate Fluorometry)法を霞ヶ浦において適用しました。つまり、現場で迅速に計測できる同手法の強みを、霞ヶ浦における一次生産モニタリングに生かしたことになります。霞ヶ浦(西浦)の湖内5地点で2016~2019年の4年間にわたり取得した一次生産データと、各水質データの結果から、霞ヶ浦における一次生産は光環境が大きく関与していること、河口近くの調査地点では降雨時の硝酸性窒素流入も影響していることが分かりました。一次生産に関連するこうした環境因子は、気候変動の影響を受けやすいものであることから、有機物循環制御等の適応策の立案に繋がる成果と期待できます。今回の受賞を励みとして、これからも環境工学の発展に資する研究に全力を注ぎ続けていきたいと思います。