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2021年12月23日

受賞のお知らせ ~
土屋 健司特別研究員・冨岡 典子シニア研究員・佐野 友春シニアスタッフ・高津 文人室長・今井 章雄フェローが日本陸水学会より2021年度日本陸水学会論文賞を受賞

概要

受賞者氏名: 土屋 健司・冨岡 典子・高津 文人(地域環境保全領域)、佐野 友春(環境リスク・健康領域)、今井 章雄(企画部)
賞の名称:  2021年度日本陸水学会論文賞(Limnology Excellent Paper Award 2021)
授賞機関:  日本陸水学会
受賞年月日: 2021年09月21日
受賞対象:  Decrease in bacterial production over the past three decades in the north basin of Lake Biwa,Japan,Limnology,2020

受賞者の写真

ひとこと

琵琶湖の生態系の一翼を担うバクテリアに焦点をあて、高度経済成長期、汚濁物質負荷削減期のバクテリア生産速度の変化の推定を行いました。私どもが開発した安定同位体15N標識デオキシアデノシン(15N-dA)の取り込み量を測定する手法と、従来の手法との比較検討を行うことにより、微生物食物連鎖を駆動させるバクテリア生産速度の長期変動を明らかにすることができました。その結果、1986年から2016-17年の30年間でバクテリア生産速度はおよそ5分の1まで低下しており、それは、生物学的に利用しやすいリン酸態リン濃度の減少によって説明できることが示唆されました。湖沼生態系において、このような水質改善と連動したバクテリア生産速度の長期変動を明らかにしたものは世界的にも珍しく、将来的な微生物食物連鎖への影響を予測する上で重要な知見になると期待しています。本受賞を励みとして、今後も陸水学の発展および生態系機能の解明と保全に貢献してまいりたいと思います。