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2023年7月27日

受賞のお知らせ~
山田 一夫 フェローがWaste Management SymposiaよりWM2023 Papers of Noteを受賞

概要

受賞者氏名: 山田 一夫(福島地域協働研究拠点)
賞の名称:  WM2023 Papers of Note
授賞機関:  Waste Management Symposia
受賞年月日: 2023年6月29日
受賞対象:  Penetration of Cs and Sr into Cracked Dry Carbonated Mortar Considering the Contamination History of Fukushima Daiichi NPP -, Proceedings of WM2023 Conference, 23068, 2023

ひとこと

本論文は2023年5月15日にWM2023 Superior Paper Awardとして受賞しましたが、改めて注目論文として評価されました。Waste Manage Symposiaでは、高/低レベル廃棄物、環境回復、リスコミなど12部門に分かれて口頭発表やポスターセッションが行われます。総数900以上*。受賞対象は除染・廃炉部門においてポスター発表した論文で、同部門66編中3編の受賞の一つです。処分施設に使用されるコンクリートについて放射性物質の浸透や溶出の研究は多くあります。しかし、現実の事故後のコンクリートの汚染が調べられた事例は我々のもの以外にほとんどありません。我々はその知見をもとに、これまで注目されなかった現実のコンクリートの特性・状態と汚染環境を考慮することが、放射性物質のコンクリートへの長期的浸透予測には重要であることを示しました。本研究は文科省「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」の助成を受けて実施しました。原子力発電所事故への対応において、最近、廃炉の最終段階で問題となる大量の汚染コンクリートの処理・処分が注目されるようになり、コンクリートの汚染予測は重要課題となっています。国立環境研究所が放射性廃棄物処分の研究を始めたの事故後であり、その歴史は浅いのですが、異分野の知見を集めることで最先端の成果を得つつあります。今後、我々は中間貯蔵後の県外最終処分に必要な技術の一部としてこの成果を活用していきます。
* https://www.wmsym.org/#