ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方
2020年12月28日

健康のための紫外線日光浴のすゝめ
~最適な日光浴時間大公開!~
国立環境研究所「環境儀」第79号の刊行について

(筑波研究学園都市記者会、環境記者会、環境省記者クラブ同時配付)

令和2年12月28日(月)
国立研究開発法人国立環境研究所
編集分科会委員長     :江守 正多
  〃  事務局(環境情報部情報企画室)
       室長    :阿部 裕明
       担当    :白井 大智
 

   国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の最新号「健康のための紫外線日光浴のすゝめ ~最適な日光浴時間大公開!~」を刊行します。
   太陽紫外線には皮膚でビタミンDを生成する働きがありますが、オゾンホールの発見以降、有害性が指摘されたことから、なるべく避ける生活が一般的になったせいで、日本人のビタミンD欠乏が深刻化しています。特に若年女性の8割以上が慢性的にビタミンD不足に陥っているという事実が最近の調査で明らかになってきました。オゾン層破壊が回復しつつある今でも、太陽紫外線がもたらすのは「悪影響だけ」なのか。
   本号では、日光浴の必要性における科学的な根拠を明らかにするとともに、ビタミンD欠乏の調査結果や太陽紫外線の人体への影響を解説するほか、紫外線によるビタミンD生成および適切な日光浴の重要性を紹介しています。

ビタミンDの体内での代謝の図、ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報ホームページの画像

1 本号の内容

   太陽紫外線には皮膚でビタミンDを生成する働きがあり、ビタミンDが不足すると子どもでは「くる病」、成人では「骨軟化症」、高齢者では「骨粗しょう症」などのリスクが高まります。国立環境研究所では、場所や季節、時間によって大きく異なる紫外線強度を観測と計算によって求め、日焼けやシミ・しわの原因にならない範囲で、1日に必要なビタミンDを得ることができる日光浴時間(紫外線被照射時間)を、研究所ホームページで提供するシステムを構築してきました。(https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/index.html)
   本号では、このような研究を行うに至った経緯や、研究所がこれまでに展開してきた「有害紫外線モニタリングネットワーク」から「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」へと発展してきた紫外線観測の歴史、HPによる準リアルタイム情報提供の内容などについて紹介します。

○Interview研究者に聞く
「紫外線モニタリングデータを活用し、適切な日光浴で健康に」

   「骨のビタミン」と呼ばれるビタミンDの効果や、ビタミンDの皮膚での生成・体内での代謝、ビタミンD合成と日光浴時間の関係についての研究過程など、研究担当者らの話を紹介します。そのほか、紫外線のメリットとデメリット、紫外線照射量とビタミンD生成量の関係性などについて解説します。

<研究担当者>

中島 英彰(なかじま ひであき)
地球環境研究センター(気候モデリング・解析研究室)主席研究員
佐々木 徹(ささき とおる)
地球環境研究センター(気候モデリング・解析研究室)高度技能専門員
小野 雅司(おの まさじ)
環境リスク・健康研究センター 客員研究員
津田 憲次(つだ のりつぐ)
一般財団法人地球・人間環境フォーラム

○Summary
「肌にダメージを与えない範囲で、最適な紫外線照射時間を広く知らせる」

   日光浴によって肌や目に悪影響を及ぼさない範囲で必要なビタミンDを生成させることは可能ですが、その生成量は時刻、場所、季節、天候、上空のオゾンやエアロゾルの量に依存して大きく変化するため、日光浴の目安時間を示すことが困難でした。そこで、国立環境研究所では「もっともふさわしい」日光浴時間の情報を提供できないかと考え、研究を始めました。
   Summaryでは、ヒトの皮膚でのビタミンD生成量の見積もりを可能にした研究方法や経緯のほか、1990年代から利用してきた有害紫外線モニタリングネットワークの紫外線観測データの活用について紹介します。

○研究をめぐって
「紫外線による日焼けとビタミンD生成に関する研究の現状」

   国外や国内におけるビタミンD生成による健康への正の側面に焦点を当てた研究の動向や、国立環境研究所での取り組みなどについて紹介します。

2 ビタミンDの生成・紅斑紫外線量情報HP

3 環境儀79号紹介動画

国立環境研究所YouTubeチャンネルで、環境儀79号の紹介動画を公開しています。
URL:https://youtu.be/ISHfOOHpEF8【外部サイトに接続します】

4 国立環境研究所動画チャンネル

URL:https://www.youtube.com/user/nieschannel【外部サイトに接続します】

5 閲覧・入手についての問い合わせ先

関連新着情報

関連研究報告書

表示する記事はありません

関連研究者